☆第12章 だからわたしは、

なんだかんだソロでライブをすることも慣れてきたなぁって思い始めてた冬のこと。
その日は池袋のライブハウスでのソロライブで
1人の女の子がわたしに話しかけてくれた。

『ねこちゃんってモデルいけそうだよね!!わたしここでモデルやってるんだけど、今人募集してて。興味あったら応募してみない?』

なんて可愛い子から言われちゃったら興味でちゃうよね〜!!

自分の中でも、夢をひとつずつ叶えていくためには活動規模も足りない!!
売れたくて、もっともっと名前や存在を知って欲しくてソロライブの他にも何かやろうって思ったから事務所に面接へ。

試しに受けてみた面接だったけど所属させてもらえることになった。

毎週事務所の番組に出させてもらったり、事務所の持つライブイベントに出させてもらったり
自分一人でソロライブをやっていったりして、沢山の人にわたしの歌を届けることが出来た。

事務所の社長も、わたしの頑張りやイベントやバンドでの実績を知っていたはずだから
このまま、軌道に乗せてくれようとしたんだと思ってた。

だからもう一度、しぬほどがんばった。
あの時、応援に駆けつけてくれた皆本当に本当にどうもありがとう。

結果からいうと…惨敗というか、空回りだった。

なんとなく、大人の世界の仕組みが分かったような気がした。
子供すぎた自分が、情けないと泣いた夜もあった。

結局、自分のやりたい事ってなんだったっけ?

気づけば、本来の活動は疎かになりかけていた。
そして、わたしは強い焦燥感にかられたんだ。

ここには書けないようなショッキングな出来事もあったりした。
大人の世界ってわたしや皆が思ってるよりもきっと何十倍も、やばい。

だから、わたしは事務所を辞めた。