☆第13章 からまわりの日々、かなえたい夢
結局、わたしは音楽がやりたいんだ。
ライブで一人でも多くの人に歌を届けたいんだ。
そして、自分にしか出来ない自己表現でたくさんの人の心に寄り添いたいんだ。
だから今まで以上に、がむしゃらにバンド活動に取り組んだ。
インストアライブ、ダウンロードカード発売、来日バンドとの対バン…
Tシャツを自分でデザインしてみたり、ラインスタンプも作ったり。
思いつく事はなんでもやった。
出来ることはなんでもチャレンジしてきたつもりだけど
夢に近づくには何かが足りなかったんだ。
だからわたしは、2回目のワンマンライブをすることに決めた!
もう一度勝負をかける必要があると思ったからだ。
目標にしたのは、
『200人以上入れるワンマンライブで誰もが認める規模感のアーティストになる』こと。
それを足掛かりに、アルバムCDを引っ提げて全国規模の勝負をかけに行く。
そう、わたしは夢を勝ち取りにいきたいんだ!!今までと同じスピードでは間に合わない!
かなえたい夢、目標の為なら、人は自分の限界を超えられるんだって感覚を初めて知った。
2回目のワンマンライブ当日、ステージから見た満開の景色は
今まで見たどんな景色よりも綺麗だった。
この瞬間の為に、わたしは今まで頑張ってきたんだな。
もう止められない、もっともっと前に進みたい。
そう思ったんだ。
…惨敗した訳じゃない、でもやっぱり空回りだった。
メンバー同士がそれぞれの生活の中でだんだんとすれ違っていき
まるでバンドのなかで、別の時間軸が動いているような感覚に陥った。
表面上は達成された結果とは裏腹に、虚しさに襲われた。
それもそのはず…、
ワンマンライブも無事に終わりさあ!これから売り込みの時期だ!
と、思ったら全然そんな雰囲気もなく…
アルバムCDをもっとたくさんの人に届けようよ!という思いも重なってなければ
業界にバンドを売り込みに行こう!っていうような気配と覇気もない。
心配になって提案をしても
『やる気のある人が引っ張って仕事を持ってくればいい』なんて事を言われたりもした。
ついに、予定されたライブに出れないメンバーまで…
それでもたくさんのお客さんに集まってもらえた、恵まれてると思うよ。
でも。こんな事がしたかったんだっけ?
早く進まないとならないのに…応援してくれる皆と母に歌を届る為に…
からまわりの日々、かなえたい夢は…このままじゃ、叶わないのかな