☆第4章 歌
これから出来るだけ一人で過ごそう。表面上では仲良くしてたって、いつか裏切られる。そう思ってた。
でも暗い時間が流れるのは学校だけで、うちでは深夜のアニメを録画して面白いアニメを探すっていう行事があった。
わたしにとってアニメを見ている時がとても幸せで、笑顔でいられる時間だった。
そんな時に出会ったのが、歌を始めるきっかけになった「マクロスF(frontier)」というアニメ。
劇中にシェリル・ノーム(May’n)が歌が自分耳に入ってきた瞬間、胸がキュッと締め付けられて涙が溢れた。
それは、悲しかったからじゃなくて『歌ってこんなに人の心を惹きつけるんだ。こんなに気持ちが軽くなって明るくなるんだ。』
って感動したから。大袈裟かもしれないけど。
それからどんどんアニメの世界にハマり、音楽に興味を持つようになった。
うちにはパソコンがなかったから、テレビにケーブルを通して録音すると聴ける
おもちゃの音楽プレイヤーを買ってもらってからずーーーーーーっと音楽と一緒にいた。
一人でいる時も、家族で出かける時も、家にいるときでさえも離さなかった。
日を増すごとに音楽の素晴らしさ、歌が放つ力、憧れが強くなっていき
この頃からわたしは「離れてしまった母に、私の歌を届けたい!」そう思うようになった。