☆第9章 Y(後編)
そのあとは嵐のように次々といろんなことが起きた。
Yさんは大手事務所の傘下で事務所を立ち上げていて、活動するとなったら契約をしてほしいといわれた。
契約書はないけれど、上の人の信頼を得るためにこちらの条件をクリアしないとならない。とのことだった。
ここからは思い出したくないようなショッキングな出来事が多すぎて長くなりそうなので簡単に言うと
まともに生きてるかどうかを根本から確かめたい。
契約のブラックリストに入ってるような人間は世の中の信頼も無いから、代理で携帯を契約してどこでもいいからお金を借りてきてと何百万もの金額を要求された。
その代わり事務所から月額等は支払うから問題ない。君は契約してくれるだけでいい。とりあえず、君の活動用の端末とお金にするから事務所で預かる。
夢を叶えるためにはやらないといけないこともあるんだよ。と散々言われ、丸め込まれた。
レコーディングのためにとローンをして買ったアコギも持っていかれ、それから何週間、何ヶ月と時が過ぎたか。
いくら待っても預けたお金は払われない。連絡もこない状態。怖かったので携帯はすぐに解約した。
流石に何かがおかしいと思い始めたわたしは友達に今までの経緯と、預けたりしたってことを相談すると
「え…それ大丈夫なの?騙されてない?本当に信頼できる事務所なら絶対契約書あるし…怖くなってきた、連絡してあげようか?」と言われ流石に不安になった。
いつまで経っても音沙汰無いし、流石に変だってわたしも思ったから、連絡した。
「何ヶ月かわたしが払ってますよ。お金いつ返してくれますか?」
そう送ったら
「今頃になって連絡してくるなよ。無いんだから仕方ないだろ」と逆ギレのメッセージが届いた。
この時、やっと今まで騙されてたんだってことがわかった。
預けたお金やギターのローン、もろもろ合わせて100万ほどの借金を負った。